AGAの治療法とは

2016/12/03

AGAの治療法は薬を使用する方法と、注射や外科手術などの方法に分けることができます。

薬による治療法

AGAに有効な薬はプロペシアが含まれている内服薬と、外用薬として使用する塗布剤（育毛剤）があります。
この2つを使用することが投薬治療の代表的な方法で、専門の病院や個人輸入の通販より購入ができます。

プロペシア（フィナステリド）

AGAが起きる原因は、男性ホルモンのDHTが増えて毛周期を乱して、髪の毛の成長期が短くなることにあります。
本来であれば2～6年間の髪の毛の成長期がありますが、DHTの影響を受けることで半年から1年ほどで抜け落ちます。
このために髪の毛が十分に成長する前に減ってしまい、脱毛症になってしまうことがAGAによる薄毛です。

プロペシアはアメリカの製薬会社が開発した薬ですが、元々は前立腺がんや前立腺肥大症を改善するために作られていた薬で、
使用している患者の中で発毛作用が現れたために、その後はAGA治療薬として使われています。

プロペシアは薬品の名前で、AGAに有効性のある成分は薬に配合されている「フィナステリド」です。
フィナステリドはDHTの生成の原因となっている5αリダクターゼの働きを抑制します。

フィナステリドを投与することで、DHTの生成を抑制して抜け毛を減らす効果があります。

プロペシアは1日1錠の服用が必要で、最低半年にわたって継続的に使用する必要があります。
毎日飲むことで薄毛を改善する効果を得ることが可能になり、服用を止めることで効果が無くなることがわかっています。

半年間の服用を行った人の48%、1年間の服用者の58%、2年間の服用者の68%、3年間の服用者の78%の人が薄毛を改善したと回答しています。

現在では専門病院において、男性型脱毛症を改善する第一選択薬として取り扱いが行われており、最もポピュラーな治療法です。

フィナステリドは男性ホルモンに起因する薄毛のみに有効で、女性の薄毛には効果がありません。
女性への使用は禁止されていますが、特に妊娠している女性や授乳中の人が投与すると、体内の胎児の育成状況に影響を与える可能性があるために避けるようにしてください。

プロペシアは分割して服用することは推奨されていませんが、分割や粉砕をしたときには、女性や子どもが触れないようにする必要があります。
有効成分のフィナステリドは、皮膚から体内に吸収されるために触れることも認められていません。

ミノキシジル

外用薬（育毛剤）に使われている成分の名称で、髪の毛の成長を促進する作用があります。
元来は血圧降下剤の成分として使用されていたものですが、副作用として多毛症の症状が現れたために、現在では病院で処方されるAGA治療薬となっています。

男性ホルモンの影響を受けやすい頭頂部や生え際などの薄毛に効果があるとされており、AGAを改善する外用薬として第一選択薬に推奨されています。

ミノキシジルは男性だけではなく、女性の薄毛の要因の1つであるFAGA（女性男性型脱毛症）の治療にも有効です。
男性用の外用薬としては5～10%ほどの成分が配合されているものがありますが、女性用の場合には体への影響も考えて2%ほどの配合量の育毛剤を使うことになります。

プロペシアとの併用が認められており、相乗効果によって抜け毛の予防と発毛の両方の効果が得られる治療法です。

病院で受けられる施術

育毛メソセラピー

薄毛を改善する成分を注射の方法で、頭皮に注入します。
フィナステリドやミノキシジルを配合した育毛カクテルを直接頭皮に注入しますので、内服薬や外用薬よりも効果が高いと考えられています。

クリニックごとに配合している成分は異なっており、ミネラルやビタミンなど発毛に良い作用がある成分を使用しています。

HARG療法

特定の専門病院だけが行うことが認められている「毛髪再生医療」のことを、HARG療法と呼んでいます。
注射で成分を注入する方法であることは育毛メソセラピーと同じですが、HARG療法では細胞成長因子を注入します。

細胞成長因子とは幹細胞から採取される成分で、毛母細胞の活性化を行う治療法で、再生医療の一種となります。

自毛植毛

自分自身の残っている毛髪を最初して、薄毛の部分に移植します。
植毛ではひと昔前までは人工毛を移植する方法もありましたが、現在では自毛植毛が主流となっています。
人工毛の場合にはアレルギーや拒絶反応が起きる危険性がありますが、自毛を使用すればそれらのリスクを回避できます。

AGAでは後頭部や側頭部の部分が、男性ホルモンの影響を受けにくいために毛髪が残ります。
この部分の毛髪を採取して自毛植毛に使用することで、頭皮に定着させることで自分自身の自然な髪の毛を増やすことができる治療法です。